【最初から今まで】

2016年03月17日23:03要約筆記者になりたい

昨年の春、市の広報に載っていた「要約筆記者養成講座」の募集を見て、すぐに関係機関に申し込みました。

特別な社会貢献に熱意を持ったというわけではありません。

ただ、わたしのタイピングが役に立つのだったら、やってみたいという、シンプルな動機で行動開始したのです。

自分の技術や理解力で通用するのか不安でしたが、とにかく約半年の研修を経て、今年の2月に受験をしました。
 

いま、その試験の合格発表を控えています。

受講してからわかったことですが、要約筆記者になる人は少ないそうです。

要約筆記者の認知度の低さや、待遇なども関係しているからかもしれません。 


それでも、多くの方が【要約筆記】に興味を持ち、活動してくださることを目的としてこのブログを書いていこうと思います。


要約筆記は、聴覚障害者のコミュニケーションを支援する手段のひとつです。

この資格の認知度が高まれば、聴覚障害者のための要約筆記を理解したり、活用したりする人が増えるでしょう。

それは聴覚障害者だけではなく、さまざまなプログラムを開催する人や、学校の先生、雇用する側の人、職場の上司・同僚なども含まれると思います。

選挙演説にも要約筆記が利用されることになっています。

要約筆記者が増えることで、聴覚障害者の社会参加、社会参画が広がることになります。

聴覚障害者が社会参加、社会参画できることは、あたりまえの権利です。

聴覚・言語障害者の推計は約34万人といわれています。(身体障害者手帳の交付対象。厚生労働省 平成18年身体障害児・者実態調査)

その方々が、能力を発揮して社会的に活動できることは、国家全体にも利益をもたらすと思います。

(これは、聴覚障害者だけに限ったことではないのですが。)

聴覚障害者の当然の権利が守られ、最大限に能力を活かせる社会になることを願っています。 


よろしくお願いします。
アリスのウサギ著作権フリー




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2016年03月17日23:18【講義のようす】受講会場へ

さあ、いよいよ受講初日です。


どきどきしながら受付を済ませると、
会場には
50人くらいの人々が集まっていました。


やっぱり、こういう講座に参加するのは女性が多くて、
男性は、ほんの数人。


下巻の2冊で、約3000円のテキストを購入すれば、半年間の要約筆記者養成講座を受講できます。

 

結構、薄い本だなぁ。

そんな印象を持ってページを
めくってみたのですが、内容は幅広く充実しているようです。

(わたしは、新しい本のページをペラペラめくって、早く手になじむようにするのが好きです。)


表紙は、不思議な幾何学模様が描かれています。

うずまき”が中心に集まっているようにも見えるし、外側に広がっているようにも見えます。

当初はわからなかったのですが、開講式から一年たったいま、表紙の”うずまき”を見ると、何か要約筆記の象徴的な意味を感じます。

表紙の書名
『要約筆記者養成テキスト』の上部に、
”厚生労働省カリキュラム準拠”と書いてあります。

なんだか、重々しい印象。

 

気を引き締めて勉強しなければ。

 

真新しいテキストの扉をちょっと読むと、要約筆記は30年の歴史があるとのこと。

 

…いままで、その資格の名もよく聞いたことがなかったのに、そんなに長い間活動されてきたんだと驚きました。

そんなことを考えていると、開講式が始まりました。

初対面どうしの受講生たちは、おしゃべりも少なくてきちんと座っています。

主催者の挨拶のあと、受講生にマイクが回って来て、自己紹介を しましたが全員の名前を覚えきれませんでした。



1.午前中の授業

 

「聞こえの仕組みと聴覚障害者」

(テキスト上巻P4)

講師は、聞こえに困っている方々を長年、支えてきた方です。
 

パワーポイントの図や表を見ながら、聴覚の仕組みや、聴覚障害者についての基本的な知識などを教えていただきました
 

あらためて図解したものを見ると、耳の仕組みは本当に複雑です。

その精巧な作りとシステムに、
人体の不思議を感じます。

この耳たぶの奥で、小さくてたくさんの部位が協調して働き合っているのです。
 

耳が聞こえるというのは奇跡だ。


感謝しなければいけないと思いました。

しかし、このころのわたしは、のんきでした。

その耳の解剖図や機能がテストによく出ることは考えていませんでしたから。
 

それで、のんきなわたしは、お昼休みを気楽に過ごしました。

お弁当を食べながら他の受講生さんたちと歓談。


同期の方々は、子育て中のお母さんや、リタイアした方など、年代、経歴はさまざま。
(この方々は、勉強仲間として仲良くしていただいています。)
 

楽しくお話していたら、あっという間に午後の授業開始。


2.午後の授業
 

 

午後の講師は、補聴器を装着した中途失聴者の方でした。

 

当事者ならではの経験をまじえて、「聴覚障害者のコミュニケーション」や、「中途失聴・難聴者の現状と課題」について、わかりやすくお話しになりました。

(テキスト上巻P9~)

話し方は穏やかで、発語はとても明瞭。 

何も知らないで出会ったら、聞こえに困っている人には まったく見えません。

 

とても自然な話し方で、一見すると障害者に見えません。

そのため、周囲の配慮などが得られず、生活の中で困る場面があるそうです。

聞こえる人は、
ふだん意識していないけれども音声情報に囲まれて生活しています。


たとえば、インターホンや電話、
電化製品のアラーム、
赤ちゃんの泣き声など、例を挙げればきりがありません。


世の中が、聞こえる人中心にできているのです。

聞こえない人の生活は過酷です。

警報機のような、命の危険を知らせる音だって聞くことができないのですから。
 

だから視覚情報が大切になるのですね。

この講義を聴いて、よくわかったことは自分の想像力がとても不足していることでした。

ある日、もし耳が聞こえなくなったらって、考えたことがありますか?  



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2016年03月18日11:35【講義のようす】要約筆記の基礎知識Ⅰ

この日の講義は、
「難聴者運動と要約筆記の歴史」

(テキスト上巻P16
 

お若いけれど、穏やかで落ち着いた雰囲気の講師は、補聴器を装着した中途失聴者の方でした。 

子どもの頃に聞こえにくい症状が始まり、徐々に聞こえなくなっていく中で、学校生活を送り、就職、結婚。


その間、
さまざまな医療や福祉サービスを受けたそうです。


聴力が下がるだけでなく、めまいの辛さや周りとのコミュニケーションの難しさを感じられたとのこと。

治療に対する期待やあきらめを感じた後、障害を受け入れた経緯をお話しになりました。
 

学校の授業で要約筆記を利用し、”これで活動の幅が増える”と確信されたそうです。

わたしは、ここまで詳しく聴覚障害者の方からお話を聞いたことがなかったので、ショックを受けました。 

そして聴覚障害者の方々には、視覚情報がとても大切なんだということを知りました。


もうひとつの授業は、
「要約筆記事業の位置づけ」と、「通訳としての要約筆記」について。

(テキスト上巻P20~)


講師は、経験豊富な現任者。


「要約筆記事業の位置づけ」
の変遷を習いました。

要約筆記者には法律や福祉の知識が必要です。

でも、わたしはそのことに受講するまでは気づきませんでした。 

タイピング能力さえあれば、やれると勘違いしていたので。 

 

実は、法律や福祉の分野は苦手です。

しっかり授業を聞かないと。


不安がふくらむ…。 

 
 

真っ白で手の切れそうな、新しいテキストのページをめくりながらの受講。


いま思えば、ここは、大事な法律や制度の名前がたくさん出てきました。

それなのに、聞きなれない「事業」や「法律の名前」を聞いて、脳の処理能力が追いつかず、ぼーっとしてしまいました。

あとで読み返したら、なんとか頭に入れることができるでしょうと楽観視。


このブログの記事を書くきっかけになったのは、そういうこと。


過去問に出てきた【重要語句】を、蛍光ペンでマーキングしてから受講すればよかった。

そうすれば、講義の内容を集中して聞けて、理解力がアップしていたのでは。


【重要語句】に焦点を当てて、講師の話を聞けばいいのですから。 

そして、蛍光ペンでマーキングするアイデアをブログにしようと思ったのです。 

話しがそれました。

本題に戻します。 



それから、「通訳としての要約筆記者」

(テキスト上巻P22


要約筆記者は”通訳者”なのだそうです。
 

素人のわたしにとって、それは意外な”役割の名称”でした。
 

その場の音声情報を、

すぐに、

的確に、

わかりやすく

文字によって要約筆記し、
聴覚障害者へ伝えます。


いわゆる「通訳者」が、外国語を瞬時に 日本語にするようなものです。

「話しことば」の日本語を、瞬時に「文字言語」に通訳するのです。

それが、情報の保障となり、聴覚障害者の基本的人権を擁護することになるのだそうです。

専門家の方々、こういう説明でいいでしょうか?

間違っていたら ごめんなさい。
 




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2016年03月23日19:01【講義のようす】要約筆記の基礎知識Ⅱ

「要約筆記の目的」「要約筆記の三原則」という授業を受けました。

(テキストP34~)

 

1.講義の内容

 

幼稚園の頃に聴覚を失った講師は、明るく社交的な雰囲気の方でした。

 

要約筆記とは、その場の「音声情報」を「文字言語」に変えて、できるだけ速く聴覚障害者に伝える方法だと教えていただきました。

 

その目的は、利用者が「その場」のコミュニケーションに参加できるということ。

 

要約筆記は買い物などの日常生活を始め、職場での会議、役所の手続き、病院受診、学校の授業、町内会、PTAなどさまざまな場面で使われるそうです。

聞こえない人に、早く音声情報を伝えないと、会議などでは意見を言うことができません。

授業で先生が「何か質問はありますか?」と言ったことを早く伝えないと、利用者は質問する機会を逃してしまいます。
 

 

要約筆記の三原則とは、「速く、正しく、読みやすく」です。

 

話しことばは、そのまま全部文字に起こすと読むのが疲れるほどの情報量です。

 

話し手は「あー、えーっと」などの無意味語を発したり、聞き手の理解を促すため、伝えたいことを表現を変えて繰り返すことが多々あります。

 

また、ていねいすぎる語尾や話の脱線、二重否定などもあります。

 

要約筆記者は、それらをそぎ落とし、さらに意図を正しく保持して要約し、スピーディに聴覚障害者に伝えます。

 

これは、いわゆる音声起こし(文字起こし、テープ起こし)とは違います。

 

音声はどんどん流れて消えていくものだから、要約筆記では「保存」はしません。

 

2.初めて目にした要約筆記

 

ところで、この日わたしは生まれて初めて要約筆記の現場を体験することができました。

 

講師の話すことばや受講生の質疑応答などが、要約筆記されてスクリーン表示されたからです。

 

聴覚障害者の方が見学に来られていて、必要だったようです。

 

でも、受講生も見える位置にスクリーンが設置されていました。

 

話されている講義を耳で聞きながら、少しのタイムラグでなめらかにスクリーンに文字が表示されるのを見ました。

 

話しことばを、即時的に書きことばにするすごい技術を目の当たりにして本当に驚きました!

 

音声認識できる機械が発達しても、コンピューターにこんなことはできないでしょう。

 



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