要約筆記者になりたい

【要約筆記】は、聴覚障害者のコミュニケーションを支援して社会参加、ひいては社会参画ができるようにする手段のひとつだと思います。

健聴者だけが、社会を変えるのではありません。

要約筆記者になりたい人を応援するブログです。
養成講座や受験の経験をもとに、【過去問解答案】や【重要語句】などの記事を書いています。
【重要語句】カテゴリには、試験既出の重要語句を赤字で示しています。受講前にその語句を教科書にチェックする勉強法を提案。
多くの要約筆記者が誕生して、聴覚障害者の当然の権利が守られることを願います。

タグ:音声情報

「要約筆記の目的」「要約筆記の三原則」という授業を受けました。

(テキストP34~)


 1.講義の内容

 

幼稚園の頃に聴覚を失った講師は、明るく社交的な雰囲気の方でした。

 

要約筆記とは、その場の「音声情報」を「文字言語」に変えて、できるだけ速く聴覚障害者に伝える方法だと教えていただきました。

 

その目的は、利用者が「その場」のコミュニケーションに参加できるということ。

 

要約筆記は買い物などの日常生活を始め、職場での会議、役所の手続き、病院受診、学校の授業、町内会、PTAなどさまざまな場面で使われるそうです。

聞こえない人に、早く音声情報を伝えないと、会議などでは意見を言うことができません。

授業で先生が「何か質問はありますか?」と言ったことを早く伝えないと、利用者は質問する機会を逃してしまいます。
 

 

要約筆記の三原則とは、「速く、正しく、読みやすく」です。

 

話しことばは、そのまま全部文字に起こすと読むのが疲れるほどの情報量です。

 

話し手は「あー、えーっと」などの無意味語を発したり、聞き手の理解を促すため、伝えたいことを表現を変えて繰り返すことが多々あります。

 

また、ていねいすぎる語尾や話の脱線、二重否定などもあります。

 

要約筆記者は、それらをそぎ落とし、さらに意図を正しく保持して要約し、スピーディに聴覚障害者に伝えます。

 

これは、いわゆる音声起こし(文字起こし、テープ起こし)とは違います。

 

音声はどんどん流れて消えていくものだから、要約筆記では「保存」はしません。

 

2.初めて目にした要約筆記

 

ところで、この日わたしは生まれて初めて要約筆記の現場を体験することができました。

 

講師の話すことばや受講生の質疑応答などが、要約筆記されてスクリーン表示されたからです。

 

聴覚障害者の方が見学に来られていて、必要だったようです。

 

でも、受講生も見える位置にスクリーンが設置されていました。

 

話されている講義を耳で聞きながら、少しのタイムラグでなめらかにスクリーンに文字が表示されるのを見ました。

 

話しことばを、即時的に書きことばにする、すごい技術を目の当たりにして本当に驚きました!

 

音声認識できる機械が発達しても、コンピューターにこんなことはできないでしょう。




美しい動画でひとやすみ
YouTubeから↓

さあ、いよいよ受講初日です。

どきどきしながら受付を済ませると、会場には

50人くらいの人々が集まっていました。

やっぱり、こういう講座に参加するのは女性が多くて、男性は、ほんの数人。


上下巻の2冊で、約3000円のテキストを購入すれば、半年間の要約筆記者養成講座を受講できます。


結構、薄い本だなぁ。


そんな印象を持ってページをめくってみたのですが、内容は幅広く充実しているようです。

(わたしは、新しい本のページをペラペラめくって、早く手になじむようにするのが好きです。)


表紙には、不思議な幾何学模様が描かれています。

うずまき”が中心に集まっているようにも見えるし、外側に広がっているようにも見えます。

当初はわからなかったのですが、開講式から一年たったいま、表紙の”うずまき”を見ると、何か要約筆記の象徴的な意味を感じます。

表紙の書名『要約筆記者養成テキスト』の上部に、

”厚生労働省カリキュラム準拠”と書いてあります。

なんだか、重々しい印象。

気を引き締めて勉強しなければ。


真新しいテキストの扉をちょっと読むと、要約筆記は30年の歴史があるとのこと。

…いままで、その資格の名もよく聞いたことがなかったのに、そんなに長い間活動されてきたんだと驚きました。


そんなことを考えていると、開講式が始まりました。


初対面どうしの受講生たちは、おしゃべりも少なくてきちんと座っています。

主催者の挨拶のあと、受講生にマイクが回って来て、自己紹介を しましたが全員の名前を覚えきれませんでした。




1.午前中の授業


「聞こえの仕組みと聴覚障害者」

(テキスト上巻P4)

講師は、聞こえに困っている方々を長年、支えてきた方です。

パワーポイントの図や表を見ながら、聴覚の仕組みや、聴覚障害者についての基本的な知識などを教えていただきました。


あらためて図解したものを見ると、耳の仕組みは本当に複雑です。

その精巧な作りとシステムに、人体の不思議を感じます。

この耳たぶの奥で、小さくてたくさんの部位が協調して働き合っているのです。


耳が聞こえるというのは奇跡だ。

感謝しなければいけないと思いました。



しかし、このころのわたしは、のんきでした。

その耳の解剖図や機能がテストによく出ることは考えていませんでしたから。


それで、のんきなわたしは、お昼休みを気楽に過ごしました。

お弁当を食べながら他の受講生さんたちと歓談。


同期の方々は、子育て中のお母さんや、リタイアした方など、年代、経歴はさまざま。

(この方々は、勉強仲間として仲良くしていただいています。)


楽しくお話していたら、あっという間に午後の授業開始。




2.午後の授業


午後の講師は、補聴器を装着した中途失聴者の方でした。


当事者ならではの経験をまじえて、「聴覚障害者のコミュニケーション」や、「中途失聴・難聴者の現状と課題」について、わかりやすくお話しになりました。

(テキスト上巻P9~)


話し方は穏やかで、発語はとても明瞭。

何も知らないで出会ったら、聞こえに困っている人には まったく見えません。

とても自然な話し方で、一見すると障害者に見えません。

そのため、周囲の配慮などが得られず、生活の中で困る場面があるそうです。


聞こえる人は、ふだん意識していないけれども音声情報に囲まれて生活しています。

たとえば、インターホンや電話、電化製品のアラーム、赤ちゃんの泣き声など、例を挙げればきりがありません。

世の中が、聞こえる人中心にできているのです。

聞こえない人の生活は過酷です。

警報機のような、命の危険を知らせる音だって聞くことができないのですから。

だから視覚情報が大切になるのですね。


この講義を聴いて、よくわかったことは自分の想像力がとても不足していることでした。


ある日、もし耳が聞こえなくなったらって、考えたことがありますか?  

難聴者・中途失聴者のためのサポートガイドブック
マーシャ・B. デューガン
明石書店
2007-05-31


You Tubeから

生まれたてのヒヨコ。初めてのお散歩。

  

↑このページのトップヘ

body { font-family: "メイリオ", Meiryo, sans-serif; }