なぜか、わかりませんが、
初めて「要約筆記者養成講座」という文字を見たときに、
胸がドキドキしました。
自治体の広報で「要約筆記者養成講座」の募集を見たときの話です。
「要約筆記者?あまり聞いたことはないけど、ひょっとしたらタイピングが役に立つのかな」と思いながら、
その記事をハサミで切り抜き大事に手帳にしまいました。
手帳には、ていねいに「要約筆記者養成講座」の申し込み開始の日時と電話番号を記入。
「でも、難しそうだな、やれるかな。やり通せるかな」という不安も感じました。
要約筆記者養成講座に通うだけなら、なんとかやれるかもしれない。
わたしだって、本気出せば何か身につけることができるはず。
そう自分を勇気づけて一歩踏み出しました。
申込みの日。
電話する直前「定員数に達したので、
申し込みは締め切りました」と断られてもしょうがないと思っていました。
たくさんの人が見ている広報紙だったから、
募集が殺到すると予測していたからです。
ところが、ふたを開けてみるとそうでもありませんでした。
これだけ多い人口の自治体なのに、たったこれだけの受講生かと思うほど少なくて拍子抜け。
そして、開講して間もないころ、脱落する人がたくさんいました。
理由も告げずに、次々と講座に来なくなりました。
要約筆記が、思っていたのとは違うと思ったのかもしれません。
確かに、気軽に身ひとつでやれるものではありません。
教科書には、難しいことがたくさん書かれています。
でも、それは基礎を積み上げるための大事なことばかりです。
耳の解剖生理や法律、人権、心理、社会福祉、要約筆記の知識、技術、実際など。
それに尻込みする方もいらっしゃったかもしれません。
わたしが知っているある方は、家族のお世話のために途中から来られなくなりました。
要約筆記者養成講座をやり抜いても、何人かの人は受験することを選びませんでした。
それでも、なんとか残った受講生が試験に挑みました。
受験したとしても、合格する人はその中のわずかな人たち。
もっとたくさんの人が要約筆記者養成講座に参加してくれたらと思います。
要約筆記に関心を持つ人の数が増えたら、要約筆記者になる人も増えるからです。
中途失聴者・難聴者を始め、聴覚障害者の人たちの当然の権利を守ることができます。
その活動ができる要約筆記者は、やりがいのある活動ですよ。
関心のある方は、ぜひ来年度チャレンジしてみてください。
それから、こういう活動があるということを周りの人たちに教えてもらうとうれしいです。
このブログで、要約筆記者のことが、少しでも広まればいいと考えています。
おまけ動画
YouTubeから
↓
セサミストリート:ブルーノ・マーズ
「あきらめないで」(日本語訳付き)