この日の講師は、経験豊かな現任者。
「要約筆記の表記」についての講義を受けました。
(テキスト上巻P40)
「手書きコース」と「パソコンコース」に分かれて、別の部屋での受講。
パソコンを持参するようにと、先週から伝えられていました。
実は、わたしはいままでノートパソコンを持ち歩いたことがありませんでした。
なので、ノートパソコンを持ち歩くのに、どういうバッグが適当なのか見当がつきません。
電器屋さんで相談して、自分のパソコンに合うサイズの専用のバッグを購入。
1年生が真新しいランドセルを手に入れたような気持ちで、重いバッグを持って受講会場へ行きました。
講座が用意してくださった延長コードに、自分のノートパソコンをつないで、どんな実習が始まるのかワクワク。
1.パソコンは自分で管理する
まずは、要約筆記でパソコンを使うにあたってのご指導でした。
当たり前のことですが、人に頼らず、自分でパソコンやウィルス対策などの管理をしておくこと。
パソコンのOSのバージョンもウィルスソフトも人それぞれ。
管理を人任せにせずに、自分でする必要があります。
2.話しことばを全文入力
さて、実習です。
はじめは、講師が用意してくださった文章を、制限時間内にそのまま書き写す入力。
おそらく5分くらいだったでしょうか。
「はい、やめ」と言われるまで、夢中で機械的に入力しましたが、全部は写せませんでした。
制限時間が、ずいぶん短く感じました。
自分の実力の低さを痛感。
でも、講師が見ていたのは、入力の速さではありませんでした。
受講生の入力中の「姿勢」や「視線の動き」を観察されていたのです。
そのあと、タッチタイピングの、正しい姿勢について指導されました。
背筋をのばして、手元はあまり見ないようにすることが必要だとのこと。
次は、講師が口頭でゆっくり話す文章を、そのまま要約せずに入力する実習でした。
単純な文章なのですが、物の名前がたくさん出てきます。
物の名前によっては、カタカナ、漢字など次々に出てくるので変換候補から選ぶのに迷います。
講師の話しは、ゆっくりですが止まりません。
当然、わたしは追いつくことができませんでした。
リアルタイムで「全文入力」することの難しさに軽いショックを受け、ため息がこぼれました。
「全文入力」ではなくて、「要約筆記」(要約しながら正しく速く読みやすく入力)するにはどれぐらい大変なんだろうと思いました。
3.ミカタイプをインストール
それから、ミカタイプ(美佳タイプ)という入力練習のソフトを、それぞれのパソコンにインストールしました。
さっそく講義時間中に、ミカタイプのいろいろな機能を見たり、ローマ字入力の練習をちょっとしてみたりしました。
受講中はできるだけ毎日、負担にならない程度で練習することを宿題として課されました。
ピアノのように、毎日やることで入力に慣れ、タイピングスピードが速くなるとのこと。
また、入力スピードをアップするためには、ミスタイプを減らす気持ちで練習することが大事とのこと。
現場で活動するときに、慣れている人でもミスタイプを訂正するのに手間どって、時間をロスしてしまうからだそうです。
この日の講義は、まだ「要約筆記」の技術以前の実習でした。
でも、要約筆記者の実際の技術にすこし近づきました。
4.要約筆記の表記
要約筆記の文字の表記についての説明もありました。
聴覚障害者は文字情報など、視覚から入る情報を頼りにして暮らしていらっしゃいます。
一定のルールに従わない、気ままな文字の表記では、要約筆記を利用している人は困惑してしまいます。
また、複数の要約筆記者がチームで活動するとき、共通のルールを守らずに交代でPC入力をすると、表記の仕方に乱れが生じて、利用者がとまどってしまいます。
漢字の変換、アルファベットや数字の半角、全角、専門用語などがまちまちだと、それを読む人は、きっとストレスを味わうでしょう。
2時間くらいの講演会などでは、利用者は要約筆記の文字をひたすら読み続けることになるので、とても疲れるのだそうです。
ですから、利用者に負担をかけないため、新聞のようにルールにもとづいたわかりやすい文章で情報保障しなければいけません。
表示する文字の大きさや間隔、フォント、配色、1行の文字数、1画面に入る行数などにいたるまで配慮して、メンバーで統一。
その表示の設定は、利用者の希望も取り入れながら設定するそうです。
また、パソコン要約筆記では何行にもわたる文章を、一気に画面に表出させるのも利用者に負担を与えるとのこと。
入力したら、表示部に少しずつコンスタントに表示させていくのがよいそうです。
わたしは、日本語表記のことを改めて考えたことはありませんでした。
このルールをよく習得し、チームワークをとりながら早く活動できるようになりたいと思いました。
今年の2月の試験(2015年度全国統一要約筆記者認定試験)に合格はしましたが、まだまだ現場でやれる技術はありません。
修行の途中です。
参考動画
YouTubeから
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